事業所紹介 STATION

LTC推進事業

LTCとの出会い

私たちは、2008年から精神疾患をもつ子育て世代を対象としたPCG事業を行ってきました。
地域医療・福祉業界で、今まで出会うことのなかった方たちのニーズの多さに驚きました。
当初は、診断名は様々で生活保護世帯が多く、支援者が少なく行政を頼っても「子育てできないママ」との偏見もあり、関係性はとても薄く「困っている!」「助けてほしい!」とは言えない状況でした。
このような現状の中で私たちは、病状を理解し母親に関わることを重要視し親と子どものグループワークを始めたのです。
そして17年になろうとしています。
数年前から母親たちは、「こんな場所が欲しかった!」と涙ながらに語り合い、辛さや困難さを共有しあい元気になっていく姿をたくさん見てきました。
私たちは、子どもの支援を繰り返すうちに「母親(親)の視点」で子どもを観ることが多く、「子どもの視点」から視ることが欠けていることに気が付きました。
それは、数年前から子どもの訪問看護依頼が増え、子供たちの訴えと母親の思いにズレが生じていることが分かったからでした。
また、17年の経験から地域には、子供の支援が少なく、支援する側も複雑な環境に置かれた親子の支援方法に手をこまねいた状況が続いていました。

そのような状況の中で、上野先生とは十数年前からPCG事業に関心を持ってくださり多面的にご協力ご支援を頂いておりました。
一昨年から上野先生の「LTC研修」を円グループで受講する機会に恵まれ、フインランドで行われている子どもと家族への効果的な取り組みを学ばせていただきました。
子どもの年齢に応じたログブックは、環境及び日常生活に焦点を当てて構成されています。
朝起きて、着替え、朝食を食べ、出かけるといった日常生活が子供にとっては継続的で安心の生活であることが重要だと実感しました。
更に、問題を抱えている家族にとってこのような当たり前の生活に注意を向けてもらうことがとても重要なことだと理解しました。

今後、円グループではLTC研修受け続け、継続的な事例を実践することで、地域の方たちや行政に発信していきたいと思っています。

レッツトーク・アバウト・チルドレン(Let’s Talk about Children:LTC)とは

フィンランドの児童精神科医トゥッティ・ソランタウス(Tytti Solantaus)先生が開発されたLet's Talk about Children;レッツトーク・アバウト・チルドレン(LTC)は、精神疾患をもつ親とその子どもの尊厳の尊重を基盤とする、エビデンスに基づく子育て・子ども・家族支援法です。

LTCの目的は、「親が自分らしい子育て」を実現できるよう、そして、「親が子どもの健やかな成長発達をサポート」できるよう、親を支援することにあります。

親や子どもへの支援を考える際、ソランタウス先生は、親と子どもが自らの経験を語れるようにすること、その「声」に真摯に耳を傾けることが何よりも重要であるとおっしゃっておられます。

こうした理念に基づき、LTCでは親と支援者が互いを尊重した対話を通じて、子育てや子ども・家族に関する共通理解(shared understanding)を築くことを根幹としています。
この共通理解を礎として、支援者は親とともに、「自身や子ども・家族のウェルビーイングの促進」と「子どものメンタルヘルスの問題の予防」に向けた方策を共同で考案し、その実践を伴走して支えていくのです。 LTCを実践した多くの支援者が、親と子どもへの支援の姿勢やあり方について、自発的に振り返り、考えを巡らす姿を目の当たりにしてまいりました。
この経験からも、 LTCは単なる支援技法に留まらず、支援者自身の成長をも促す貴重な機会となっていると実感しています。 私が精神疾患をもつ親や子ども・家族への支援に本格的に取り組み始めたのは2004年頃です。
ハーバード大学教授・児童精神科医のビアズリー先生よりソランタウス先生をご紹介いただき、約15年(2025年時点)にわたる多大なるご支援を賜りながら、日本におけるLTCの研究・実践に邁進してまいることができました。 かねてより、円グループの皆さまが、親や子どもへの支援の重要性をいち早く認識され、確固たる信念のもと尽力されてきたご姿勢を、常々拝見し、深く敬意の念を抱いておりました。

このたび、貴グループと協働し、LTCを推進させていただく運びとなりましたことを、心より光栄に存じます。
 貴グループとともに、子育て・子ども・家族支援のさらなる発展に貢献できますよう、一意専心、尽力してまいる所存でございます。

LTCマスタートレーナー
上野 里絵

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